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米国では「垂直立ち上げ」

マンジャロの立ち上がりについては、リリーも手ごたえを感じ取っています。新薬には原則として2週間の処方制限があり、発売初年度は緩やかに浸透していくのが一般的ですが、トーマス氏は「医師からの期待感はこれまでにないレベル。処方制限は他の新薬と比べそれほど大きな課題ではない」と指摘。むしろ、いかにスピード感を持って患者に届けられるかを念頭に置いているといいます。

 

発売1年足らずでブロックバスターに

22年6月に発売された米国では、四半期ごとに売上高が急増しています。同年第2四半期の1260万ドルが第3四半期には9730万ドルとなり、第4四半期は2億5670万ドル、今年第1四半期は5億3640万ドルと急拡大。発売10カ月で9.03憶ドル、日本円にして1230億円という実績を残しました。日米で注射に対する患者の受容度に差はあるとはいえ、いわゆる「垂直立ち上げ」を果たしています。

米国売上げ.png

日本市場でも「治療の2剤目」として浸透が進めば、これまでそのポジションで使用さていた経口薬やGLP-1製剤の領域にも影響を与える可能性がありそうです。GLP-1製剤では経口薬の「リベルサス」がシェアを高めており、製造販売元のノボによると22年10月時点で金額シェアが30%を超えました。リリーは田辺三菱製薬と共同販促契約を結び、早期の最大化を目指します。市場構造を大きく変えるゲームチェンジャーになるのかどうか。まずは初年度の販売実績に注目が集まります。

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